センター概要

天尾 豊センター所長

天尾センター長

 ほとんどすべての地球生命は太陽の光を利用して生きています。光合成では地球に降り注ぐ太陽光エネルギーを利用して、豊富に存在する水から酸素を、大気中の二酸化炭素から自らの体を維持する炭水化物を合成します。この酸素は呼吸により取り込まれ、炭水化物を燃やして生命活動に必要なエネルギーを生み出し、その有機物を水と二酸化炭素にもどします。すなわち地球の生命活動は、光合成と連携して、理想的に循環する持続可能な世界を作り出しています.

 一方これまでの石油エネルギーに代表される化石燃料に依存した社会から,新エネルギーを創製し低炭素社会へ移行するためには,二酸化炭素の排出の少ない太陽光エネルギーやメタノールなどの低炭素燃料の利用があげられます.また2009年9月に開催された国連地球変動サミットで日本は「2020年までに1990年比で25%の温室効果ガスを削減する」と明言したことから,二酸化炭素を効率的に原料として利用可能な科学技術開発が急務です.実質的に二酸化炭素のリサイクルを実現しながら,太陽光エネルギーを利用して次世代型低炭素燃料を生成する人工光合成の達成は,天然の光合成に学び,模倣し,超越する斬新な技術が必要となります.

 人工光合成研究センターではこれまで進められてきた光合成・人工光合成に関する基礎研究成果を元に,産官学の連携で人工光合成実現のための応用指向研究を進めてまいります.人工光合成の実用化と言ってもまだ漠然としておりますが、例えば水素エネルギー獲得あるいは電力供給につながる太陽光エネルギー利用技術や新たな燃 料や物質を作るための二酸化炭素の利用・資源化技術等を実現し,いずれはこれらの技術がごく普通に利用しているような社会の到来を目指します.本センターではこのような社会を実現するため、さらに人工光合成技術を深化させるための研究開発を進めてまいります.

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